『クラシック劇場』に登場する「おはなし」と「音楽」

『クラシック劇場』に登場する、みなさんがよく知っているお話しと、
クラシックのピアノの
名曲のことを、“ちょっとだけ”お話しします。
 ねずみの恩返し
使用されている音楽♪

【シューベルト】
Franz Peter Schubert
ねずみの恩返し
ねずみは、ライオンのお昼寝の邪魔をして食べられそうになりました。でも、ねずみはライオンがピンチの時には必ず助けると約束しました。
ねずみとライオンは、仲の良いともだちになりました。

 “ライオンの様なシューベルト”                 1797-1828 ウィーン出身
ライオンのたてがみのような髪型をしているシューベルトは、「歌曲の王」と呼ばれています。
また多くの作品に即興性が見られ、他の音楽家からは、“もっとも詩情豊かな音楽家”とされています。

使用されている曲:
ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 D.664 より
 第1楽章 アレグロ・モデラート

 北風と太陽
使用されている音楽♪

【リスト】
Franz Liszt

北風と太陽 
北風と太陽はどちらがつよいか言い争っていました。それでは、今からやって来るあの旅人の服を脱がせた方が勝ちということでどうだろうということになりました。北風は強い風を吹きつけ、太陽は逆にぽかぽかと旅人を照らしました。


“光と影に生きたイケメン、リスト”
              1811-1886 ハンガリー出身
元祖“イケメン”の代表格であるリストは、大きく分けて二つの人生を生きた人です。
ひとつは、「ピアノの魔術師」と呼ばれた、超絶技巧の作曲家・ピアニストとしての炎のような荒々しい顔。
そしてもうひとつは、晩年、神に仕えし者となり、そこで生み出された作品は、若い頃のような激しいものではなく、静かに、人々の心の機敏を表すような、水を湛えたような作品を世におくりました。
使用されている曲:
『パストラール』巡礼の年 第1年「スイス」より 第3番

シンデレラ
使用されている音楽♪

【ドビュッシー】
Claude Achille Debussy
シンデレラ
シンデレラは、やさしい両親の下ですくすくと育ちましたが、本当のお母さんが亡くなってしまい、そのあとやってきたママハハたちは、意地悪な人たちでした。シンデレラは、魔法使いのおばあさんの力を借りて、お城の舞踏会に出掛けます。そこで王子様と出会いますが、12時の鐘が鳴った時、彼女の魔法は解けてしまうのです。
…やがて王子様は、シンデレラを探しに街へやってきました。

“みんなの人気者、ドビュッシー”                 1862-1918 フランス出身
詩人ヴェルレーヌの義理の母よりピアノの手ほどきを受けており、ピアニストを目指すが自己の才能に苛まれ、惜しくも断念。作曲家としては、印象主義と呼ばれることが多いが本人は否定している。
それよりも20世紀の西洋音楽・ジャズ・ポップスに至るまで多種な音楽に影響を与えている。

使用されている曲:
『グラドゥス・アド・パルナッスム博士』
              (「子供の領分」より)
『月の光』「ベルガマスク組曲」より
『ミンストレル』「前奏曲集第1巻」より

星の一生
使用されている音楽♪

【スクリャービン】
Alexandre Scriabine

星の一生
みなさんは、星が生きていると知ったら、どう思われるでしょうか?人間や他の動物たちとおなじように、星にも寿命がある。その一生は、まず宇宙のちりやガスが一緒になって、回転運動を始めます。そして、だんだん、冷えて固まるか、もしくは太陽のように、熱く輝く恒星となって、最後は大爆発をして終わる姿は実に、神秘的であり、またダイナミックでもあります。…とは言っても、まだまだ先の話し。みんながこの世界に生きているあいだはずっと、太陽はいまと同じ姿のまま変わらず、私たちを守ってくれるんじゃよ。

 “白ひげじいさん、スクリャービン”                  1872-1915 ロシア出身
りっぱなひげをたくわえたスクリャービンは、盟友ラフマニノフと一二を争いながら、ピアノと作曲の両方の腕を互いに競い合いました。ピアニストとしては致命的にも思える手の小ささを、克服するための猛練習によって右手首を故障してしまいます。
人には足りないものがあるとそれを補おうとする、知恵があります。それが彼の作曲家としての質を向上させ、また、右手を使わなくても弾けるように左手を鍛えることもわすれませんでした。
そして人はどうして一生かけて、ひとつのことを完成させなければならないのか?最高に感じる瞬間を延々続けても良いではないか?という思想に行きつきます。それが彼の作風にもよく表れています。
使用されている曲:
ピアノ・ソナタ第2番『幻想』嬰ト短調Op.19 より
第1楽章 アンダンテ

うさぎとかめ
使用されている音楽♪

【ヒナステラ】
Alberto Evaristo Ginastera
うさぎとかめ
うさぎは自分の足の速いことに大変自信を持っていました。のろのろ歩くかめを見て、うさぎはばかにしました。でもかめは、競争して君に勝てるのだとうさぎに言います。
世にもめずらしい、うさぎとかめのかけっこのはじまりはじまり〜!!

 “カメのように…ヒナステラ” 
            1916-1983 アルゼンチン
頭の大きな人というのは、その見た目どおりに頭の良い賢い人が多いんですよ。アルゼンチンは、南米ですけれど、ヒナステラはその国の代表的な音楽家の一人です。オペラ・室内楽・バレエ音楽・協奏曲等、ジャンルを問わず精力的に活躍するんだけれど、ある時から、無調的な作風に変わってしまうんだ。そう!じっとしてさも、あまり動かないように見えるカメのようにね。そんな彼が最後まで愛していたものは、彼が生まれ育った祖国だったんだ。

使用されている曲:
アルゼンチン舞曲集 全3曲
1.年老いた牛飼いの踊り
2.優雅な乙女の踊り
3.ガウチョの踊り

※作曲家の画像(すべてウィキペディアより)

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